京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
| 山行名 | 南アルプス 塩見岳 |
|---|---|
| メンバー | L:F上(文) A木の |
| 期日 | 2008/3/24〜3/27 |
| 山域・ルート | 南アルプス 塩見岳 |
| 山行形態 | 積雪期縦走 |
21時京都発→京都東IC→松川IC→25:30林道駐車スペース(仮眠)
6:30出発→7:10塩川小屋→8:30尾根取付→13:45三伏峠→15:15コル手前(幕営)
泊地5:30→6:00本谷山→8:40デポ地→10:30塩見岳→11:50デポ地→14:30泊地
泊地6:00→6:50三伏峠→9;00尾根取付→11:00林道駐車スペース
春休み、雪山のシメにふさわしい充実した山行になった。今回直前まで鹿島槍ヶ岳東尾根のサブプランとしていたが、日本海に低気圧が残るということでA木さんのリベンジを兼ねた塩見岳に決定した。こちらはあまり下調べをしていなかったので若干不安もあったが、一般ルートということで体力勝負だった。
A木さんの実家車(前日わざわざ受け取りに行ってくださった)でピックアップしていただく。適度に交代しながら塩川林道まで進み、塩川小屋手前で工事のため通行止めとなっていたため近くのスペースに車を止める。星が綺麗だ。
雪は川沿いにわずか見られる程度だったが、朝はかなり寒く感じた。明るくなり始めたころ出発。私は鯖寿司を朝食にしたせいか若干調子が出なかったが、ボチボチ歩くしかない。川沿いのカチカチに固まった残雪の上を歩いていく。尾根の取付からは夏のコースタイムで3時間半かかる。最初はトレースもあり、時々凍ったところもあるがつぼ足で急登していく。スキーのトレースもあった。しかし途中(標高2000m付近か)からトレースが忽然と消える。入山前に降った雨が、ここで雪に変わったのだろう。
夏道通りではあるものの、やはりわかりにくくなる。ワカンをつけて何度かはまりながら道を探していく。最後も三伏峠小屋に向かう夏道はわからず、尾根伝いに登ってから発見できた。建物が幾つかあって、どこが使えるのかむずかしい。できるだけ明日を楽にするため、本谷山へ向かう。40分ほど歩き、そのコルへ下り始める手前で幕営する。二日お世話になるので防風ブロックをつんで入念にテン場を設営する。A木さんの天気図によると、気圧の谷が近づいているがそこまで崩れることはなさそう。
夜半から雪が降り出した。昨日三伏峠から足を伸ばしたため10時間行動とは行かないだろうが、それでも長いので3時半に起床する。5時過ぎに出発できたのだが、すぐにワカンが必要という事になり装着している間に30分近くになってしまう。トレースは相変わらずないが、雪はしまっていてほとんど沈まない。権右衛門山手前のコルから夏道通りトラバースしようとしたところ、テープ(おそらく埋まっている)がない上に藪で大変だった。
地形図の崖マークを避けるため二人で右往左往しながら進む。藪が収まったところで、沢を渡ろうということにな対岸の尾根に登る。あとでGPSのログを見てみると、距離としてはちょうどよかった。尾根上は歩きやすい。塩見小屋手前、樹林帯が終わるところでワカンをデポし、アイゼンにする。私だけハーネスもつけた。ここからはうわさに聞いていた岩稜となる、はずが雪がしっかりついていたせいかあまり恐くない。しかし吹雪で寒い。稜線を小さく左へ巻くのを何度か繰り返して、西峰へ到着。展望はゼロ。塩見の文字を掘り出して証拠写真をとる。
A木さんは東峰も行きたかったそうだが、あまりにふぶくので1分もしないうちに諦める。帰りに塩見小屋を探したが、撤去されたのかと思うほど跡形もない。低いトタン屋根だけがかろうじて見つけられたが、うーん謎だ。デポ地までは10分ほどで着き、またワカンに履き替える。強風のため行きのトレースが消えかかっていたが、樹林帯に戻るとまだ追う事ができた。問題の藪は、帰りには高度のことは考えず通り易さを優先して進むと、少し上の尾根上に出たものの比較的楽だった。あとは夏道通りに戻るだけである。最後はシャリばて気味だったが、遅れながらも予定より早くテン場にたどり着けた。雪は夜中まで深々と降り続けた。
おー、快晴!塩見が迫力を取り戻している。凛と冷えた空気が気持ちいい。三伏峠までは撮影しながら見納めになるパノラマを堪能する。塩川へ降りる尾根に入ってからも気持ちよく降りていく。途中で早大アルコウ会のパーティーとすれ違う。やはり平日登れるグループは少ない。下ってくるにつれ、道が凍った部分が出てきてヒヤヒヤする。川沿いに下りてからは平坦な道をひたすら歩く。ここでも昨日降ったのは雪になっていたようだ。溶けた道と夏道が交錯してちょっとわかりづらいところもあったが、暖かな日差しの中無事車にたどり着いた。鹿塩温泉で秘湯を満喫し、松川で名物(?)のごぼ豚丼を食べて帰京。眼鏡が使えなくなってしまったA木さんは、頑張って日が沈む前に家まで帰ることができました、そうな。
やっぱ楽しかった"他に誰もいない世界。自分たちが歩いたトレースがはるか彼方へ続いている。雪山サイコー!まだまだ山は冬です。反省点は、砂糖の代わりとしてコンデンスミルクを持ってきたこと。あまり甘くならなかった。また、1,2日目とも最後ばて気味だったのが悔しい。ワカンがずれて歩きにくかったのもあるが、それはこまめに締めなおすらしい。行動食増やして、最後まで持つ体力をつけよう。A木さん、ありがとうございました。
2000年2月。ラッセルに埋もれ、ヘロヘロの体で本谷山へ辿り着いた僕らの眼前に、その頂はそびえていた。こんな近くに見えるのに届かない、遥かなる塩見。いつの日か必ずという思いと、もう雪の時期に行くことはないかもしれないとの諦めが、胸中をせめぎ合いながら、時は過ぎていった。
今回、伸び盛りのふっちーがシーズンの締めに選んだ本命は鹿島東尾根。しかし天候状況及び実力面の不安もあって、幸か不幸かリベンジの機会は巡ってきた。こうなりゃあとは体力と気合だけ。やるっきゃない。
初日、トレースがふいに途切れた時はいつかの悪夢が頭をかすめたが、3月末の雪は流石に締まっておりペースはさほど落ちなかった。三伏峠小屋の上からは正月合宿で歩いた聖から悪沢までが見渡せ、ビッグトレイルの感慨が改めて湧く。上機嫌で足取りも更に軽くなり、思惑通りベースを上げられた。
これでもう勝ったも同然。と安心して眠りについた夜半、テントを叩く風に雪の音が混じり出す。そうは問屋が卸さないか。翌朝テントから抜け出すと、昨日あんなにはっきり見えてた塩見山頂は雲の中。森林限界を超えるとまともに吹雪きだす。まあでも雪がたっぷりついてる分、稜線の岩場はノーザイルでさくっと越えられ、遂にピークに到った。8年越しの結願。本当はもっとゆっくり感動を味わいたかったのだが、吹き付ける風雪をまともに受けて東峰すら諦め下山に取り掛かる。
下りは多少神経を使うものの登りのルートを慎重に辿っていけば確保は不要だ。権右衛門山腹の藪も往路に苦しんだ体験を活かしスムーズに越えられ、9時間のアタックから無事帰幕。空腹に暖かい紅茶とチーズ入り麻婆春雨丼が染みて入った(ふっちー毎度ながら美味しい食事をさんきゅ!)
下山日はまたまた好天。塩見は元より(険しい山容に昨日あそこに立ってたんだなあとじんわり感動)白峰三山、仙丈、中央アルプスが濃い蒼天に映える。ふっちーが写真を沢山撮ってくれた。三伏小屋で正月の稜線をもう一度まぶたの裏に刻み付け、満ち足りた思いを胸に下っていった。鹿塩温泉の塩っ辛い湯と松川のごぼ豚丼は頑張った僕等へのご褒美。帰りの高速道路からは桜が咲いているのが見えた。この三日間でかくも季節は移ろい、京都でも開花を迎えてたらしい。山の冬と里の春を一息に味わえる、大好きな季節の到来だ。次はどこへ行こうかな。
樹林の中のテン場
藪に突っ込む
登頂の証
あれが塩見だ
正月の雄姿を胸に
来年は中ア?